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木名瀬 栄
KEK Proceedings 99-15, p.76 - 81, 1999/00
内部被ばくモニタリングに用いる全身カウンタは、人体内に摂取された放射性物質の沈着部位の特定とその放射性物質の定性定量評価を行うことを目的としている。したがって、全身カウンタによる放射性物質の人体内負荷量測定には、スペクトル測定のできる測定器を用い、適切な校正による計数効率を求めておく必要がある。しかしながら、計数効率の光子エネルギー依存性(計数効率曲線)は、校正に用いる物理ファントムの個数制約のため、実測による校正が困難であり、物理ファントムを必要としない計算等による作成が必要である。今回、測定実務に必要な光子エネルギー範囲において、物理ファントムに対する全身カウンタの波高分布をモンテカルロ計算により求め、計数効率曲線を作成し、計数効率に対する多重散乱(特に、物理ファントムからの散乱線)の寄与について解析した。
岡田 實
日本化学会誌, 81(3), p.367 - 371, 1981/00
X線強度の値は既知の放射性核種の約10%について測定されているに過ぎないから、文献中に埋もれている未解析のX線スペクトルを解析することにより多数の核種のX線強度を実験結果の中から探索した。すなわち、強度の分っている線と強度の分っているX線の各全吸収ピークを共に含むような線スペクトルを文献から集め、その既知の強度と「スペクトルから読み取れるピーク面積」とに基づき、試行錯誤法によって効率曲線の「最適な形」を得た。この「形」を適用して(文献中の未解析ピークの解析によって)得られるX線強度の不確かさは、既知のX線強度値の誤差よりも小さい場合がある。従って、この「形」はX線強度値を手に入れる補助手段として有用である。必要な期間も費用も比較的少ない。